研究テーマ詳細

植物と土壌(微生物)の未知の関係性を明らかにする

植物の根圏土壌には、植物に病気をもたらす、あるいは反対に成長を促進する多様な土壌微生物が存在します。しかし、特定の病原菌、あるいは根粒菌やAM菌などの代表例を除き、大部分の土壌微生物と植物との相互作用を支える分子メカニズムは全くといって良いほど明らかにされていません。

我々はこれまで植物生長を阻害する土壌微生物由来の揮発性化合物を同定し、それは土壌微生物が一般的に持つ化合物であることを明らかにしてきました。さらにその過程で、植物は根分泌物を介した相互作用により、揮発性化合物による生長阻害を軽減する仕組みを持つ可能性が明らかとなってきました。私たちは生物有機化学的アプローチにより、同活性因子の精製と同定を試みています。本研究により植物の新規な根圏環境適応メカニズムが解明されれば、農業等に有用な基礎知見となることが期待されます。

Murata J., Watanabe T., Komura H. “Bacterial Volatile Isovaleric Acid Triggers Growth Alteration of Arabidopsis Seedling.” Metabolites 12, 1043. (2022). [DOI] (open access)

Ono E. and Murata J. “Exploring the Evolvability of Plant Specialized Metabolism: Uniqueness Out of Uniformity and Uniqueness Behind Uniformity.” Plant Cell Physiol. pcad057. (2023). [DOI] (open access)

村田 純

主席研究員
統合生体分子機能研究部

渡辺 健宏

技術員
研究企画部

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